フェルトの型抜き03
3日も同じ話題をするのもいやらしいなと気にしつつも「フェルトの型抜き02」のつづきです。
どうにか静かに且つ少ない力で型抜き出来ないものかと悩んだ挙げ句、ハンドプレス機に辿り着きました。
イメージではサクッと抜けそうなのですが、実際なかなか容易でない打ち抜き作業。
「型に均等に一気に圧力をかけるというなら、プレスだろ」と非力な私の浅知恵で、検索してみました。
はじめは万力やらバイスやらを工夫して利用できないかと調べていたのですが、なかなか条件が合わず結局プレス機を中心に調べていくことにしました。
プレス機の油圧式、電動のものは、値段はもちろんサイズも工場用なので不可。なので“ハンド”プレスです。
レザークラフトのハトメプレスではなく、ターゲットは卓上プレス機。アーバープレスという言葉に流れ着きました。
でも欲しいサイズは5万円ほどするようで…出来るかどうか試さずに購入するのには、難しいお値段ですよねぇ。
そのような中で天使のような会社がありました!「ベルメックスインターナショナル」。ホームページを見る限り格安★
ショールームがあるとのことで、フェルトと金型をもって早速でかけました。
魅力的な機械達が並ぶ素敵なショールームでした。鉄道模型とか、最近ではロボットをつくる人が道具を買いにくるそうです。
ここのアーバープレスの安さに驚き、品質を確かめにやってくるお客様が多いとか。確かに無骨で必要最低限の構造ですが、十分しっかりしています。
実験したら、あて木がなければ抜けそうと見当ついたので、その場でお買い上げ。アーバープレス2t機で12000円でした☆木槌は買わずに済みました。
相当重い機械を車に積むのも運ぶのも全て旦那さんにお任せして、自宅へ入れてみると、流石にデカイです
埃をかぶっているステップマシンが、いまや本気で邪魔です。その隣にプレス機並べるしかなく、文字通り足の踏み場がない状態ですが、仕方なし。
こういう工具は(鉄の固まりですけど)力強くてかっこいいですねぇ。大半がプラスチックで出来ているステップマシンとは大違い!眺めていて満足です。
さて。再度試みるも、やはりあて木をすると何故か力一杯プレスしても抜けず。。ならば鉄鋼板をあてようということで、郊外ホームセンターへ買い出しに出た訳です。
すでに手に入れた硬質ゴム板(30cm角2000円)のサイズに合わせて30cm角の波打った模様のある重いもの(700円)と、比べて軽く平らで少し大きいもの(315円)の2枚をゲット。
実際あて木を鉄鋼板に換えても一発でスキッとは抜けませんでしたが、半分ずつ位置をズラしてカットすれば、イメージ通り上手くサクッと型抜きできました
ホント、型抜きは想像以上に上手いことできないものですねぇ、それだけはよーく分かりました。
ともあれ、力仕事や運転を担当してくれた旦那さんの大活躍でやっとこさ結論に至り、制作の用意が整いました☆
途中やればやる程、深みにはまり、どんどん見知らぬ機械の香りがする世界へ近寄ることとなり「わたし、どこへ進んでる?」と思う事もありましたが、結果不要な買い物はあて木(3500円)だけとなり、少ない予算でなんとか実現できたなと満足しています。
もっとよいプレス機や手段もあるのかもしれませんが、抜き型屋さんいわく「10万円くらいするからプレス機は勧めなかった」とおっしゃっていたくらいなので、しばらくコレで頑張ってみます。
まとめ--------
●金型はスウェーデン鋼だと比較的安価。複雑な図案は不可。
価格は要問い合わせ。(業者によると思いますが)オーダーメイドなので値段は基本出来上がってからな姿勢の様子。私の場合、見積より完成後に数千円請求額があがった型もあり。
●手で打ち抜くならハンドプレス。
硬質ゴム板とあて木、そして木槌のセットで打ち抜くには、技術もいるし騒音も激しいので、プレス機を利用することが現実的。
しかしそれなりの置き場所が必要。
結論---------
想像以上に容易でないプロジェクト。少量なら手で地道にカット…ですね。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
なにやら楽しそうなことになってますね!!!
う〜〜〜、興味津々☆
手芸は相変わらず足踏み状態ですが
やりたい熱意は意外と長くくすぶっております。
今度ぜひその楽しそうな機械見して♪
ところで、次回のSOTOは私の青春(?)
ジャック・タチではないですか!
高校生の時にビデオ買ったのに、
大学でみんなに回してるうちにどっかへ行ってしまって
しょぼくれてた想い出が(w
絶対観に行くなりよ。
投稿: chiho | 2008年2月27日 (水) 00時04分
うふふ、手芸楽しいよねぇ
私のは図工に近いかもですが、ぜひ型抜き体験に来て下さい。
そしてジャック・タチ。好きだとは知らなかったです。他人に貸すのは、あげるつもりでってことですね
あっ、SOTOにも行きます
数作品しかみたことない私はそんなに…ですが、今みたらまた違うのかもしれない。
我が家には全部あるので、そのうち観てみます
投稿: みずなす | 2008年2月27日 (水) 09時51分
みずなすさん、はじめまして。さかいと申します。私もフェルトを使った作品を作ろうと始動していますが、フェルトの裁断で行き詰まり、こちらのブログにたどりつきました。
みずなすさんの作品見せてもらいました。
ひつじのコースターや本、ポシェットもかわいいですね☆どれも作成時間がかかりそうで、大変そうですが、これからも頑張って下さい。
型は金型屋さんで!と言う所までは辿りついたのですが、裁断するのに1枚毎に¥_と費用がかかるのがネックになっていて。。
アーバープレス機は良さそうですね。どのようにして抜いているのか、今一わからないのですが、もし良かったら教えてもらえないでしょうか?みずなすさんの型はどれくらいの大きさですか?私は6cmくらいのものを抜きたいのですが…
ブログにこんな質問をしてもいいのかわからず、あつかましく申し訳ありません。でもどうしてもフエルトでつくりたいのです。
お忙しいのに本当にすみません。さかい
投稿: さかい | 2008年12月11日 (木) 00時37分
さかいさん、はじめまして。
プレス機自体を床や作業台に固定していないと、圧力をかける時、プレス機が持ち上がったり動いてしまってうまくいかないです。ウチの場合は、私がプレス機に乗って自ら重しになり、旦那さんがプレスしてくれるスタイルに落ち着きました。
フェルト作品の制作、楽しいですよね♪
私のブログを見てくださってありがとうございます。
で、「プレス機でどのようにして型抜きするか」とのご質問。
プレス機に硬質ゴム板、フェルト、金型、鉄鋼板の順に置いて、プレス機で圧力をかけて抜いています。
ただ、均等に圧力をかけるのは難しいので、切り抜けていない部分も出てしまいます。そういう場合は、位置をずらして圧力をかけ直す作業が必要なので、一つ型を抜くのに2-3回プレスする作業を行います。
私の羊のコースターは、9×13cmサイズですから、それより小さいさかいさんの作品なら、一回でキレイに抜けるかもしれませんね。
とはいえ、きっとイメージされているより厄介な作業だということはお伝えしておきます
…こんな答えでお役に立てたかしら?
色々研究してもっと良い方法見つけたら教えてくださいね☆頑張ってください☆
投稿: みずなす | 2008年12月11日 (木) 11時47分
お返事ありがとうございました。
すごく参考になりました。が、自分でカットするもかなり大変な作業だなと(汗)私の場合は、主人の協力を得る事は多分無理だしな~(涙)
少し考えま~す。
作品が出来たらお知らせしますので、また良かったら見て下さいね。
ほんとうにありがとうございました☆
投稿: さかい | 2008年12月12日 (金) 11時16分
(゚ー゚)はじめまして。私も型抜きに挑戦したいと思っていたのでググッてこちらを拝見させてもらいました。
牛のサドルレザーと
コードバン)なのでうまくいくかわかりません。
現在キーケースを製作中でして、同じものを多数作るのにいちいち革をカットするのがめんどうなので、抜き型でやろうかと思っているのですが、大きさが14cm×11cmと管理人さんの羊のコースターとほぼ同じでしたので、どんなものかと。
素材がフェルトではなく革(主に
ただし、形は単純な長方形で革の厚さもせいぜい2mm以下でしてフェルトなどのやわらかい素材よりかえってやり易いのではとも思うのですが、このような革の素材で試された事はございませんでしょうか?
スウェーデン鋼自体は、革素材の型抜きにも広く使われているようなのですが・・・
あるいは今後もし試される機会などございましたら、ぜひレビューなどお願いします。
もしうまくいくようなら、私もハンドプレスを購入してみようと思っています。
では、(長文失礼します。)
投稿: KEN | 2009年2月 3日 (火) 16時09分
KENさん、はじめまして。
コメントありがとうございます☆
残念ながら私はレザーの型抜きをしたことがないのですが、お答えするとKENさんの条件のレザーでも、ハンドプレスでの型抜きはうまくいくはずですよ♪
といいますのも仰る通り、フェルトよりレザーの方が型抜きしやすいのです。(柔らかいフェルトの型抜きの方が、レザーの型抜きよりハードル高いんです)
そして、シンプルな形であれば力が均一にかけやすいので抜きやすいし、型の制作も簡単なのでお安いはずです★
ただこの前にご質問いただいた、さかいさんへのお返事にも書いた通り、ハンドプレスを固定しておける環境が用意できるかとか、作業する方の腕力や腕前にも左右される部分もあるのは、フェルトでもレザーでも同じ課題です。
もし可能なら私がそうしたように、レザーと型持参でプレス機のショールームで試させていただくとかされてはいかがでしょうか?
きっと型抜きでラクに沢山つくることができると思いますよ♪
私が苦労したのは、いまの道具とスタイルに辿り着くまででして、いまはフェルトもスイスイ型抜きできています。
もしKENさんの作品拝見できるところがあれば、この場にお知らせくださいね。頑張って下さい★
投稿: みずなす | 2009年2月 5日 (木) 13時04分
実はわたしも最初は、あて板やあて木での手打ちを考えていました。
しかし、例えばあて木の場合、みずなすさんが使ってらした真横からみた時の形が⊥←こんな形の物だと、叩いたときダイレクトに中心軸の真下に力が伝わる反面、周辺への伝わり方が少し弱めな気がしたり、あるいは森島打抜型製作所さんのサンプルのページにあるような∩←こんな形の「やぐら」と呼ばれる部分を組んで溶接した金属のあて板の場合、両端部分により力が伝わる反面、逆に今度は中心がおろそかになるのではという懸念があり、躊躇してました。
まあハンドプレス機を使う方法自体は、仮にそれがうまくいかなくても、この先も他にいろいろ用途が考えられるので、実験的な意味も兼ねてこの際購入して見ることにします。
やってみた結果も後日またここに書きに来ますね。
では。(*゚▽゚)ノ
投稿: KEN | 2009年2月 5日 (木) 21時15分
初めまして 偶然検索中発見しました!少々コーフン気味 といいますのは 全く同じ悩みをかかえて困りはてておりました もしよろしければぜひともお教えください お願いいたします
思った以上にたくさん種類があるハンドプレス 大きく値段に差があるんです 品質なんでしょうかねぇ・・ それにどのサイト見ても全部革の裁断しか取り扱ってないんです 帆布は切れるんでしょうか? なんとなく帆布は革のようにサックリ行かない雰囲気ですねえ 加わる力 何キロとか 何トン とか やはり大きく差が出るんでしょうか? 200kgもあれば相当な気もするんですが
どうか お願いします
投稿: タケ | 2011年6月 8日 (水) 07時59分
タケさん、はじめまして。
私がハンドプレスを購入して、この記事を書いてから早数年
その後は調べていないので、最新のハンドプレスの種類や機能等には全く明るくないのですが、当然価格差はサイズ、機能、デザイン等で出るのだと思います。
また、プレス機は金属の塊なので、金属の価格にも影響を受けるのではないでしょうか。
で、ご質問の「帆布は切れるのか?」というところですね〜。
私は試したことがないので分からないのですが、タケさんが感じておられる雰囲気の通り、慣れるまでサックリいかないと想像します
勿論、加える力が大きければカットもスムーズなはずです。
でも「抜き型全体に均一に力をかけられるかどうか」が重要なポイントであって、一部だけに偏ると、切れてない部分が出来てしまうんです。
特に、帆布だとカットしきれなかった繊維が繋がったままの部分が頻出しそうなイメージです。
素材の柔らかさや厚み、抜き型のサイズにもよると思いますが、ハードル高そうですね
正確にはやはり、実験あるのみ。販売先に相談して、抜き型と素材持ち込みで実験させていただくとよいかと思います
その後の結果、よかったらこの場にお知らせくださいね。頑張って下さい★
投稿: みずなす | 2011年6月 8日 (水) 12時53分
みずなすさま 早速のお返事ありがとうございます(レスポンス早い!!)
確かに 革はサックリ スポっと切れそうですからね・・・帆布はね・・
いろいろ やってみます 工場のようなすんごいマシーンがあるような環境では ないですからね・・・
投稿: タケ | 2011年6月 8日 (水) 16時48分
6年前の記事にも関わらずアクセス多いです!ありがとうございます
型抜きニーズはいつの時代にもある!ということで。
この記事をご覧いただいた型抜き仲間の中に「みずなす家のハンドプレスで型抜きして試してみたい」という方いらしたら、ぷらぽTwitter(下の署名「投稿みずなす」からリンクしてます)にDMください。
抜き型と布・革を持参いただき、無料でプレス機ご利用いただけるよう、お話進められればと思います。
投稿: みずなす | 2014年7月 8日 (火) 15時37分