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変態村[Calvaire]とワンダフル・ラブ

もう止んだけど、東京でも雪でしたねぇ
昨日はやっと暇な日だったので地元をぶらつき、半額の日なツタヤで映画をいくつかレンタルしました。その時点で「かなり寒いな〜っ!」だったので、今日の雪は納得。

で、借りてきてまず観たのが「変態村」。と、おまけに入っていた「ワンダフル・ラブ」という2本。

いえね、どうしたって気になりますでしょ?このタイトル。
ぶらつき流してレコミンツ(中古DVD・CDショップ)へ行くたびに、目に入ってきて、ずーっと気になっていた1本でして、ツタヤで借りてみたという訳です。

高を括って再生してみると、宣伝なしのいきなり本編で、オープニングからちゃんとした映画なオーラが。。
はじまりは主人公の男性シンガーがメイクをしているシーンなので、「ははん、彼が変態なのね」とチープなアタリをつけるも、いい意味で私の見当を外れて展開していきました。

邦題で勝手に安い先入観もってしまい申し訳なかったです、本気な映画でした。
内容はサバイバルホラーといいましょうか、愛と狂気の話です。
原題の“Calvaire”を辞書でひけば“ゴルゴタの丘、キリストの十字架像、磔刑図、試練・苦難”という意味でして、合点がいきました。“変態村”という邦題の印象は、なんかズレている気がします
描かれているのは変態というより狂気なので、変態目当てで観た方にはハズレでしょうし、逆にこの映画に興味をもつはずの方は、邦題のイメージから手に取らずに素通りしてしまっているのではないか?と感じました。

グロテスクで、残忍で、無秩序で、不条理で、気持ちが悪くて、狂っていて、恐くて、目を背けたくなって、ファンタジー…という映像と音とストーリーなので、苦手な方が大半な映画でしょうが、個人的には(期待していなかったせいもあるかもですが)かなり衝撃的な良い出会いでした。

聖書的なストーリーで、監督が影響を受けているであろう、かつての名作・名監督たちを彷彿とさせるシーンが沢山でした。
映像でも、キリスト教に関わるヨーロッパ絵画の名作のようなカットが印象的でした。

細部まで作り込まれている一方で、大変いい加減な箇所も目立ちました。
例えばさっきは雪がなかったのに、次のシーンでは雪が積もっていたり、動かないはずの車が壁に寄せられていたりと、シレッといい加減に話が進むのです。
「制作費が足りなかったから?」とか、B級な手抜きを想像をしながら見進めると、めちゃくちゃ弾きでありつつ美しい旋律のピアノとか、だんだん監督さんの力が伝わってきて「やっぱりいい加減なところまで計算なのね」と我が家では判断しました。

そしておまけの「ワンダフル・ラブ」。こちらを観たら、この監督さんがユーモアもある方だと分かり、安心しました。
この作品の方が、ぎゅっと凝縮されていて、見やすかったです。

両作とも特に男性が恐怖を感じる内容なのではないかと感じました。

観賞後、かなり興味が沸いたので監督ファブリス・ドゥ・ヴェルツさんのインタビューのおまけも見たのですけど、監督しゃべるしゃべる
沢山沢山考えていることアイデアがあって、気持ちをいっぱい詰め込んだ本作について、何時間でも語れます!って勢いでした。
暑苦しいので詳細聞き流したけど、こういう熱心なこだわる感じ、個人的にとても好印象でした。次の作品も期待しています★

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