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その土曜日、7時58分

洗濯物を干していたら、数軒先の家前でスーツ姿の家族がわいわいやってました♪入学式なのでしょうかね

微笑ましい家族の肖像とは真逆の世界となりますが、先月観た中でとてもヨカッタ作品「その土曜日、7時58分」です

小さな宝石店を営む老夫婦とその息子2人と娘1人。主人公は長男なのですが、次男と父親を含めた男3人を中心とした、心が全くつながっていないながらも危ういバランスで成り立っていた家族の悲劇を描いた映画でした。

長男が軽卒に1つのピースを抜き取り、ガラガラと音を立てて家族のバランスが崩れていくのです。表向きの姿が崩れて腐敗した中身が露になる物語です。

長男次男の“中身はとっくに崩壊しているダメ人間”っぷりが、“真っ当過ぎて他人をまるで視ておらずに周囲の心に傷する父親”っぷりが、もうそこら辺に沢山いる普通の家族でして、それなのに異常な状態へ加速度増して転がり落ちてゆくところが、大変恐ろしかったです〜。

冷静に見れば、兄弟の出す結論は鼻っから明白な“間違い”なのですが、本人らは気付かない。途中で修正すれば何とかなるのに、一歩一歩取り返しのつかない道へ進んでいくところが(不謹慎ですが)ある意味痛快でした。
現代の一般的な家族に、簡単に起こりうる悲劇ということですよね。
まさに手に負えない事態へ急降下ここまで落ちたら笑えます。

己己でまるで分かり合えていない兄弟を表しているのでしょうか、カメラは時系列を前後し、それぞれの目線が入れ替わり話が進んで行くのですが、その巧妙さゆえに観ているこちらは全く混乱せずに世界へ入っていけました。凄いなぁ監督。

私の中では「カポーティ」が印象に残っている、長男役のフィリップ・シーモア・ホフマンさん。「生きてこそ」の記憶が強い、次男役のイーサン・ホークさん。「ビッグ・フィッシュ」で覚えている、アルバート・フィニーさん。
素晴らし過ぎました

狂う前に、繋がる努力を心がけたいものです。

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